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2025年度新入社員への社長メッセージ
2025-04-01
注目
新入社員の皆さん、本日はムカイグループへのご入社、誠におめでとうございます。

私は向井建設代表取締役社長を仰せつかっております大神と申します。
ご列席の皆さんの中には向井建設だけでなく、関連会社である株式会社TOMに入社される方もいらっしゃるということで、グループを代表して訓示を述べさせていただきます。

東京の桜も満開を迎え、春の訪れを喜ぶこの佳き日に、総勢23名の新入社員をお迎えできることを大変嬉しく思います。外はあいにくの空模様ではございますが、その分、桜の花々は一層鮮やかに映り、皆さまの新たな門出を祝福しているように感じられます。
私をはじめ社員一同、皆さんの入社を心待ちにしておりました。
本日から、我がグループの一員として新たなスタートを切ります。
皆さんは、母校で学業を修められ、夢や希望を胸にこの入社式に臨まれていることと思います。
一方で、社会人としての第一歩を踏み出すにあたり、不安を感じている方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、ご安心ください。皆さんが立派な企業人として自己実現を果たせるよう、学びの環境を整え、サポートをしていきます。
私たちも皆さんと共に成長し、新しい未来を築いていくことを楽しみにしています。

まずその第一歩として、この後、皆さんは静岡県にある富士教育訓練センターに移動し、基礎的な職業訓練を受けていただきます。
この研修の主な目的は、現場作業の基本的な知識や技能を身に付けること、集団生活の心得を学ぶこと、現場作業に耐えられる体力を養うことです。
これまで学校で専門知識を学ばれていた方もいらっしゃると思いますが、実際の現場では新たに学ぶべきことが山のようにあります。
数か月の研修期間を通じて必要なことを習得し、できる限りスムーズに現場に溶け込んでもらいたいと考えています。
是非、真剣に取り組んでいただくようお願いします。
研修中は厳しい指導を受けることもあるかもしれません。
それは、皆さんが現場で怪我なく安全に働き、早く仕事に馴染んでもらいたいという指導員の親心と受け止めてください。
日本一を誇る霊峰富士に抱かれた素晴らしい研修環境のもと、同期の連帯感を高めながらしっかりと学んできてくれることを期待しています。
私も4月24日に激励を兼ねて訓練センターを訪れる予定です。皆さんの成長を見るのが、今から楽しみです。

話は変わりますが、向井建設は今年で117年TOMは38年という長い歴史を積み重ねてきた建設会社です。
多くの先人たちが幾多の艱難辛苦(かんなんしんく)を乗り越え、汗を流して知恵と努力で築き上げてきた社歴であり、皆さんも近い将来、その歴史を刻む一員として現場第一線に立つことになるでしょう。
私たちが日々取り組んでいるのは、単なる建設業ではありません。
私たちは「エッセンシャルワーカー」です。
エッセンシャルワーカーとは、社会の基盤を支える仕事を担う人々のことを指します。
医療従事者が命を守り、自衛隊が国を守るように、私たち建設業は、人々の暮らしの土台を築く役割を担っています。
例えば、大地震や台風が発生した際、被災地の復旧を担うのは建設業である私たちです。
高速道路や鉄道が安全に機能し、通信インフラが途絶えないように支えるのも私たちの仕事です。
この仕事に誇りを抱き、皆さんも社会を支える一員として自覚を持っていただきたいと思います。

次に経営理念に触れますが、向井建設とTOMの経営理念は「社会基盤の整備という、誇りある仕事を通じ、常に信頼と共感を得られる企業として、お客様と共に人生の喜びや感動を創造する」です。
この経営理念は、企業が目指す理想像を明文化したものであり、社員一人ひとりの価値観の拠り所となるものです。
我々は経営理念を1番大切にしています。
ですから皆さんも経営理念に共鳴してください。
そして、これを自分の指針にしてください。
今日から、同じ職場の仲間としてこの経営理念に基づき、様々な課題にたち向かい、共に喜びや感動に溢れた人生を歩んでまいりましょう。

今日は入社式ということで、皆さんにとって一生に1度しかない貴重な日です。
これからの仕事人生において心構えとして役立つと思い、もう少しお話させていただきます。
「仕事をする上で正しい考え方を持っていただきたい」という前提があって、仕事の基本を身に付けることとして4つお伝えしておきます。

1つ目が「謙虚に学ぶ」
学校で専門的な勉強をしてきた方が多いと思いますが、少し勉強すれば現場で頼りにされる存在になれるのでは、と思うかもしれません。
しかし、現実にはそういうことはありません。
社会に出たばかりの今は、まだ何もできていないと考え、謙虚な気持ちで学び続けることが大切です。
「知っていること」と「できること」は全く違います。
皆さんには将来、職長やリーダーとして現場を仕切ってもらわなければなりません。
それは同時に人に教える立場に立つということでもあります。
人に教えられるようになるためには、自分自身がその所作、作業、動作をマスターしなければなりません。
さらに仕事に向き合う姿勢や責任感を持つことも重要です。
こうした一部始終を日々の業務の中で経験を積み重ね、基本をしっかりと習得することが、将来の成長につながります。
今の時代、“忍耐”という言葉は好まれないかもしれませんが、社会に出て一人前になるには忍耐も必要です。
“石の上にも三年”と言いますが、もっと上達したいという“欲”が出るまで続けてください。
皆さんの先輩である当社の社員は、確かな人生設計を立てて、家族と共に安定した暮らしをしています。
それは、そこに到達するまでに積み重ねてきた努力の成果です。
是非、努力と忍耐を重ねて夢を実現し、必要とされる人材になってください。

2つ目が「笑顔を忘れないこと」です。
笑顔はそれだけで人を幸せにします。
人を惹きつけます。
しかし、実は笑顔を出すのは難しいことです。
練習しないとできません。
現場でブスッとしていたら誰も歓迎してくれません。
その時、目と目を合わせてください。
まずは目を合わせ、明るく挨拶することから始めましょう。
そうした基本ができて初めて周囲の人はあなたを尊重してくれます。
基本的なことや大切なことを目立たなくても、「いい加減ではなし」に本気でやっていれば、仕事に向き合っていれば、周囲の人は協力してくれます。
最初のうちは、先輩社員の手伝い、資材運び、車両の誘導や連絡係、補助的な仕事が中心となるでしょう。
このような地味な仕事の積み重ねこそが、将来に花を咲かせるための強い根となります
どんな一流の職人やスポーツ選手であっても、また、企業幹部を目指す管理者であっても、必ず通る道であり、下積みなくして一流はあり得ないと思ってください。

3つ目は「お客様満足を考える」ことです。
ビジネスでの判断基準はお客様が満足するかどうか。お客様が満足せずに自分だけが満足していてもそれは仕事とは言いません。
現場の人たちと一緒に考え、計画を立ててお客様の要望に応える。
そのプロセスの繰り返しが仕事の本質です。現場運営もそうですし、皆さんが今後の自分の人生でやりたいことを実現し、社会で最も評価されるための大切な要素が現場の中にあります。
現場には何十人、場合によっては何百人という人がいます。
みんなと一緒に横一線になって仕事をしていく。自分が主体性を発揮して積極的に関わっていただければと思います。

最後の4つ目は「相手の役に立つ」ということです。
日々の仕事で念頭においてもらいたいのは、「相手の役に立つ人になる」ということ。自分の役に立つ、ではなしに、相手の役に立つ人になる。
お客様は当然のこととして、現場の仲間や協力会社の方々、現場の近隣住民の方々、さらにはお弁当の配達員などすべてです。
その人たちを尊重し、その人たちのために何ができるのか、考えて行動していると誰かがそれを見て、周りの人を幸せな気持ちにさせます。
与えた分だけ必ず自分に返ってきますので実践してみてください。
そして、現場では「チームで仕事をする」ことの重要性を学ぶことになります。
集団で仕事をするということは簡単にできますが、チームで仕事をするというのは簡単にはできません。
それぞれ役割があって、それぞれ特徴があって、一人ひとり感性が違って、分担しながら有機的につながって仕事をします。
お互いに信頼関係がないと、そういうことはできません。
ビジネスは相手にとってメリットや付加価値がない限り、相手は言うことを聞いてくれないものです。
習慣として身につける第一歩を踏み出していただければと思います。

以上、4つの心構えです。
この後、富士教育訓練センターでの研修が始まると、これまでの学生生活とは違った環境での生活になります。
朝は早く、夜更かしもできず、自由にやりたいことができない場面も増えるでしょう。
仕事をする上では、時にこうした我慢が必要になることがあります。
社会に出るということは、単に経済的・社会的に自立するだけでなく、自分自身で立てた規範に従い行動する「自律」も求められます。
この「自律」という言葉は、「自らを律する」と書きます。
仕事をしている人が社会的に信用されるのは、経済的な自立に加え、自らを律し、社会の規範を守れる人物であると見なされるからです。
研修を通じて、この「自律」の意味を深く理解し、身に付けてくれることを期待しています。

結びにあたり、仕事をする中で苦しいこと、悩むことがあると思います。そんな時は1人で抱え込まず、周りの先輩や上司に相談してください。
悩みは一生懸命取り組んでいる証であり、隠すことではありません
先輩たちも皆、悩んだり、苦しんだりした経験があります。
私もそうです。
恥ずかしがらず勇気をもって相談をしてみてください。
自分の仕事に誇りを持てるよう、共に成長し、新しい未来を築いていきましょう。
以上、挨拶に代えさせていただきます。
本日は誠におめでとうございます。
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